スピーチ・バイノーラルビートの可能性

スピーチ・バイノーラルビートとは

バイノーラルビートは、左右の耳から違う周波数の音を聞かせて、その周波数の差が生み出す「うなり音」に脳波を同調させる手法です。

たとえば、左から100Hz、右から104Hzの音を入れると、4Hzのうなり音が脳内に生まれて、4Hzのシータ波になります。
(実際にバイノーラルビートを聞いてみたい方は「バイノーラルビートによる脳波誘導」を参照下さい)

バイノーラルビートは、ヘミシンクやホロシンク、ブレインシンクといった能力開発を謳うCD(音源)やブレインマシンと呼ばれる機械に用いられています。

集中力アップ・記憶力アップを謳っているCD

これらのバイノーラルビートは、通常トーン・ジェネレーター(オシレーター:発振器)という機械が作るパルス音で生成されています。が、これを話し声(=スピーチ)で実現しようとするのが、スピーチ・バイノーラルビートです。

*注:
これとは別に、従来のバイノーラルビート音を背景に、人が癒しや元気が出る話をしているものがあります(スピーチ with バイノーラルビート)が、両者はまったく異なります。

スピーチ・バイノーラルビートを聞いてみよう

では、スピーチ・バイノーラルビートを実際に聞いてみましょう。
理論上は人の声をベースにしてもいけそうですが、やってみるとずっと同じ高さで喋る機械音声の方が良さそうなので、今回はロボットの声でやっています。

題材は「雨ニモマケズ」(宮沢賢治)です。

「雨にも負けず」 宮沢賢治
雨にも負けず
風にも負けず
雪にも夏の暑さにも負けぬ
丈夫なからだを持ち
欲は無く
決して瞋(い)からず
何時も静かに笑っている
一日に玄米四合と
味噌と少しの野菜を食べ
あらゆる事を自分を勘定に入れずに
良く見聞きし判り
そして忘れず
野原の松の林の影の
小さな萱葺(かやぶ)きの小屋に居て
東に病気の子供あれば 行って看病してやり
西に疲れた母あれば 行ってその稲の束を背負い
南に死にそうな人あれば 行って怖がらなくても良いと言い
北に喧嘩や訴訟があれば つまらないからやめろと言い
日照りのときは涙を流し
寒さの夏はオロオロ歩き
皆にデクノボーと呼ばれ
誉められもせず苦にもされず
そういう者に
私はなりたい

先ず、左右から同じ高さ(周波数)の声を流します。
まったく同じに聞こえます。

次に、左からの声の高さを少し高くして流します。

大きめのヘッドホンで聞くと、脳を刺激するうなりが感じられると思います。

また、まったく同時に話しているのですが、少し時間がズレているように、左右が独立して聞こえます。

スピーチ・バイノーラルビートの可能性

1 ガンマ波刺激による集中力アップ 記憶力アップ

生じているうなりは、(ベータ波と)ガンマ波刺激と考えられます。
ガンマ波には、ベータ波刺激以上に、集中力アップ 記憶力アップの効果があることが最近わかってきました。→ガンマ波による潜在能力開発について

2 聴覚遅延反応による脳刺激

実際に上の音声を聞いて、スピーチ・バイノーラルビートでは左右の声が少しだけ違うタイミングで聞こえるよう感じられたと思います。このようにスピーチ・バイノーラルビートを聞いた人全員に聴覚遅延反応が現れたことが報告されています。

聴覚遅延反応は、脳の聴覚野の働きによるものとされています。
そこで、昔速聴で言われていたような効果が、実はこのスピーチ・バイノーラルビートで実現できるのではないかと、ちょっと期待しています。

スピーチ・バイノーラルビート音源を無償で提供させて頂きます

というわけで、スピーチ・バイノーラルビート音源を実験用として無償で提供させて頂きます。スピーチ・バイノーラルビートを大きなヘッドホンで聞くと、頭が冴える感じがすると思いますので、あなたご自身で試して頂ければ幸いです。

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