元祖バイノーラルビートを再現してみた

バイノーラルビートについては、「1839年にドイツのハインリッヒ・ウィルヘルム・ドーヴェによって最初に発見された」とする主張があります。

*ただし、後に補足で述べるように、かなり飛躍したような説明も多いようです。

この時代は、現代のように、バイノーラルビートを生成するのにトーン・ジェネレーター(オシレーター:発振器)のような機械はありません。ドーヴェは、音叉を使っていました。

そこで、私たちも音叉(チューニング・フォーク)を使ったうなり音を脳波誘導に利用してみようと考えて、音源を作成してみました。言い換えれば、バイノーラルビートの元祖のような音源です。

作ってみたら、意外と素晴らしいものになったので紹介させて頂きます。

元祖バイノーラルビートの特徴

機械ではなく音叉を使っているので、倍音成分を含んでいます。そのため聞きやすくなっていると思われます。

バイノーラルビートの難点は、「単なるバイノーラルビート音は効果なしという話」に述べている通り、生のままのバイノーラルビートでは、聞きづらく不快な音で、狙った効果を得られないことがあることです。

元祖バイノーラルビートは、その欠点を補う効果が期待できます。

元祖バイノーラルビートの長所

音量を大きく出来る

音叉で生成されたバイノーラルビートは、脳波をコントロールする効果を高めるために、大きめの音量で入れることが可能です。

次回紹介するサンプル音源は、平均で、ヘミシンクのメタミュージック「バロック・ガーデン」の約10倍、Immurama Institute インサイトCDの約100倍の音量で入っていますが、実に自然です。

音楽(とくに環境音楽)との相性が良い

音叉で生成したバイノーラルビートをピンクノイズ、波音や小川のせせらぎや雨音のような自然音、クラシック音楽、環境音楽と組み合わせてみました。すると環境音楽にはたいへんマッチしており、普通に溶け込んで聞こえてきます。

元祖バイノーラルビートの短所

もちろん良いところばかりではありません。デメリットもあります。

バイノーラルビートの音量が一定でない

音叉ですので、うなり音も、最初は大きく、次第に減衰していきます。
それでも結構な時間、うなり音の音量は確保されているようです。

細かい変化はつけられない

ホロシンクやインサイトは、時間の経過とともに、ハイアルファ波→ミッドアルファ波→ローアルファ波→シータ波のように、周波数が変わっていきます。
が、音叉では、そのような芸当は難しいです。

(ヘミシンクやブレインシンクのCDは、終始一定の場合が多いです)

元祖バイノーラルビート(うなり音)を聞いてみよう

ここでは、128Hzの音叉と132Hzの音叉をベースにしたうなり音を聞いてみましょう。
スマホのスピーカーやPCモニター付属の小さなスピーカーでは、再現できないことが多いので、イヤホンやヘッドホンでお聞き下さい。

1)左右とも128Hz音叉を鳴らした場合

うなり音は生じていません。

2)左が128Hz音叉、右が132Hz音叉を同時に鳴らした場合

うなり音が出ています。

3)参考:片方から128Hz音叉と132Hz音叉を同時に鳴らした場合

音叉間の距離は、2)と同じですが、2)よりうなり音の振幅がずっと大きいことが感じられます。
ここにバイノーラルビートよりモノーラルビートが効果が高い理由があります。
(参照:バイノーラルビートによる脳波誘導

補足(興味がない方は飛ばして頂いて結構です)

H.W.ドーヴェは、「2つの異なる周波数の音を発するものを近づけると、その差分のうなり音が発生する」ことを発見し、1839年に発表しています。

そのことで、彼については、日本語wikipediaには

バイノーラル・ビートの発見
1839年、ドーヴェは微妙に異なる周波数(例えば470Hzと450Hz)で振動する2つの音叉をそれぞれ、別の耳に向けて鳴らすと、周波数の差の音が頭の中で聞こえることを実験で確かめた。この現象は、錯聴の一種で、バイノーラルビートという。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%83%89%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7

と書かれています。
また、Immrama Institute の「Focus CD」「Insight CD」の解説には

「H.W.ドーヴェは、2つの異なる周波数の信号が別々に提示されると、脳が周波数間の位相変化を検出し、その差を「調整」しようとすることを発見しました。 そうすることで、2つの周波数が同相および異相で噛み合うと、脳は2つの周波数の差に等しい独自の3番目の幻の信号(バイノーラルビート)を作成します」(原文:英語)

とあります。

しかし、H.W.ドーヴェは、単純に、異なる2つの周波数の音を発するもの(音叉)を近づけると、その差分のうなり音が発生する現象を発見したに過ぎないようです。

先ず、H.W.ドーヴェは、バイノーラルビートのような言い方はしていません。
また、音が知覚されるのは脳の作用であると認識されるのは、1850年代の話ですので、Immrama Institute の記述も少し飛躍しているように思われます。

さらに、バイノーラルビートによって、脳波をコントロールし、脳の働きやこころの状態に影響を与える可能性が示されるのは、100年以上後の1973年のことです。

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